【ピアジュリ訪問38回目】大塚裕紀子さん(フルート)&青山洋子さん(ピアノ)

2007/5/18(金)19:30@ピアジュリアン







ケヴィンさんと羊さんは他所でご活躍のはず。単独行。

お二人でピアジュリに出演されたのは3回目だそうですが初拝聴。溌剌美人フルーティスト大塚さんは、ラジオパーソナリティ顔負けの打ちとけたトークからして只者ではありません。ニュース速報までしてくださいました。
しかも、息をよく集中しておられる浸透力ある音色。低音域の一種の「野太さ」も魅力です。

[ Part 1 ]
1.ショッカー:小さな花
ムラマツフルート社さんの楽譜販売サイトによると、1999年の作品。シンコペするポップリズムに乗って緩やかに流れ出すしなやかなメロディが快い曲。

2.ピアソラ:フルートソロのためのタンゴ・エチュード第3番(フルートソロ)
イ短調の快速な曲。バッハのフルートソロのためのパルティータSch.1013に似た雰囲気も持ちながら、立派にタンゴ・イディオムを次々と披露してくれる誠にありがたい聴きものです。

以下、変奏曲の特集。
3.ロレンツォ:ヴェニスの謝肉祭(フルートソロ)
イタリアの伝承曲(?)をテーマとして、いろんな作曲家がいろんな楽器の技巧を盛り込んで変奏曲を書いています。ロレンツォのフルートソロ用の版は全編これ細かい音符が上下に動き回る超絶技巧版だそうです。おびただしい数の音符を吹き終えられて息の乱れなしにお話に移られるのもすごいです。

4.グリーンスリーヴズ変奏曲
ト短調で旋律の素朴さを活かしたアレンジ(誰のだろう)。低音部の竹笛を思わせる音色がアピールしてきます。

5.クーラウ:「庭の千草」による変奏曲

[ Part 2 ]
ここからは「胸キュンな曲集」と銘打って、oldiesっぽさを加味したステージ。
1.ショッカー:カフェ・ミュージック
間の良い、寛がせてくれる音楽。フラッターにトリルの続く中間部を経てメインテーマが再現します。

2.風と共に去りぬ~タラのテーマ
イントロはピアノ→フルート入り。雄大なメインテーマをヘ長調で歌い上げます。コーダで聞こえるアメリカンメロディ何やったか探索中。
5/25(金)追記:コーダで聞こえるのは「ディキシー」という曲。google博士が連れて行ってくれた2つのサイトで曲名がわかりました。富樫哲佳さんのBABD POWERは吹奏楽曲の紹介と併せてアメリカ史を概観するサイト。中之島のBOWさんのサイトは、ドレミファソラシをDRMFSLTとローマ字化することで、たくさんの愛唱歌の題名を検索できるようにした労作。CDEFGAB(H)でないところが味噌。アイウエオよりイロハニホのほうが聞いて区別しやすいのと同じかなぁ。

それは措いて「ディキシー」は南北戦争で南軍(Confederation)側の軍歌となったマーチで、出だしは「ソミドドドレミファソソソミラララソラ」です。つまりアウフタクトをのけるとウェーバーの「狩人の合唱」と連続7音が一致する類似旋律です。


3.ピアソラ:孤独の歳月
大歓迎!大好きな曲です。1970年代半ば、ピアソラがイタリアに本拠を移した時期の曲。ジェリー・マリガンがバリトンサックスで参加したアルバム「サミット」が初出でしたか?間もなく映画「サンチャゴに雨が降る」の音楽を頼まれたピアソラは、メインテーマには「孤独の歳月」に別の旋律を載せ替えて使い、他の場面には同時期の歌もののインスト版を使って.....云わば「間に合わせ」だったのか、あるいは大バッハもやった賢い使い回しだったのか、あるいは、チリ軍事クーデタを批判的に描きアジェンデ大統領とビクトル・ハラの死を悼む映画の趣旨に共感を込めて旧作(というより近作)から選曲したのか。
いずれにせよ、「孤独の歳月」「サンチャゴに雨が降る」とも、確かに「胸キュン」曲です。コード進行はピアソラの長調の曲に頻出するやつだと思います。学力不足のため未解析ですが、このコード進行は「アディオス・ノニーノ」の愛すべきサブメロディで使い始めたのではないでしょうか。のちにフランス人(名前忘れた)によって「マイ・ウェイ」(原曲題名Comme l'abitude)にも盗用されている、と言いがかりをつけているのは私だけのようです。楽曲識別も、人相識別もニガテでして。

4.マニエ:ワルツ
ニ短調の、洒落た感傷的な曲。時おり6/8拍子が混じるのはベネズエラのワルツによくあります。シャンソン「群衆」の原曲もベネズエラのワルツではなかったかなぁ。

5.村松崇継:Earth
高木綾子さんの同名CD(2003年秋リリース。たぶん未入手)のために委嘱された作品。最近作曲された雰囲気の良い曲の中で、「何か既製曲の引用?」と思わせるところのない、つまりオリジナリティに富む曲の一つ。しかも感性に逆らうようなところのない、勝義の(←「優れた意味での」という意味の学術語らしいです)「ヒーリング音楽」でもあるところが立派です。

6.ホルスト:「木星」のテーマ
平原綾香の「ジュピター」としてあまりに流行りすぎた嫌いもありますが、今回は4/4拍子にアレンジされ新鮮味がありました。

21:57三宮新快速―23:30帰宅。
道中懸念されたキツい雨は小止みになっていました。

この記事へのコメント

大塚裕紀子
2007年06月05日 00:31
何気なくネット検索していたところ発見いたしました。
フルーティスト大塚裕紀子です。

こんなにもきちんと書いていただいてとても嬉しく思います。

次回は7月10日にピアジュリアンでライブさせていただきますので、また是非いらしてくださいませ。
8月23日にはフルートカルテットでのライブもいたします。

お目にかかれるのを楽しみにしております。   大塚裕紀子

nzzkn
2007年06月05日 17:51
大塚さま>
わぁ、お初にご来訪くださり誠にありがとうございます!
URLのお知らせが遅れており失礼しましたが、発見していただき光栄に存じます。

ピア・ジュリアンで拝聴したフルートのかたとして3人目が大塚さんです。上記以外に感じられた大塚さんの演奏の特徴をまだうまく言い表わせません。今後応援を続ける中で把握したいと思います。

次は7月10日(火)ですね。なるべく仕事の追い込みと重ならないよう頑張ってみますが、5/28(月)みたいにならないと良いなぁ。

記事化が超亀速で歯痒いブログですが、またのご来訪をお待ち申しあげます。
大塚裕紀子
2007年06月05日 22:53
このような形でダイレクトの感想を聞けるのが大変嬉しいです。

これからもよろしくお願い致します。